路地裏の発見
年末、五反田で飲み、酔い覚ましに中原街道を歩いて武蔵小山まで歩いてみた。武蔵小山は、もう30年以上も前に友人が下宿していた場所。異常に長いアーケードの商店街だが、年末の深夜で人影もまばらだ。店じまいした店先に出されたダンボールを、ホームレスの人が集めて、商店街の一角に仮の寝床を作っている。この冬に職も住居も失った派遣や契約の労働者の問題が連日ニュースで報じられている。かつて12月に勤めていた出版社が倒産した経験をもつぼくも、そんな人たちの暗澹たる心境がよくわかるような気がする。暮れていく年の瀬に仕事探しも困難だし、町を行く人々のクリスマスや年末年始の華やいだ雰囲気に自分だけ取り残されたような暗い気分だった。
商店街の裏路地が気になって、ひょいと入ってみたら、小さなスナックや居酒屋、バー、パブがひしめく、なんとも味のある路地だった。狭い路地を歩いていると映画のセットの中にいるような不思議な錯覚にとらわれた。
どこかの店のドアをあけて入れば、戻りたかった時代の自分や、懐かしい人に会えるような気がした。










最近のコメント